予防接種
当院で接種可能なワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルス
- 肺炎球菌ワクチン
- 五種混合ワクチン
- BCGワクチン
- MRワクチン
(麻疹・風疹混合) - 水痘ワクチン
(水ぼうそう) - 日本脳炎ワクチン
- おたふくかぜ
ワクチン - 子宮頸がんワクチン
生後2か月から接種が始まる子どもの予防接種は種類が多く、複数のワクチンを同時に接種することもよくあります。
ワクチンの種類とスケジュールを把握して接種漏れの無いようにしましょう。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ワクチンとは
肝硬変や肝臓がんの原因になるB型肝炎を予防するワクチンです。
乳児期の早い時期にワクチンを接種すると、B型肝炎の免疫が獲得しやすくなるとも言われています。
予防できる病気
B型肝炎
B型肝炎ウイルスに感染してウイルスが肝炎を起こす病気で、重症化すると肝硬変や肝臓がんを引き起こして、命に関わることもあります。肝炎を起こすと疲労感や黄疸などの症状が出てくるほか、重症化した場合には、子どもでも肝硬変や肝臓がんに進行する場合もあります。
B型肝炎ウイルスは感染力が非常に強く、血液の輸血や粘膜の接触、汗や涙からの感染するとも言われています。また妊娠時に感染していると、高い確率で胎内の赤ちゃんにも感染するため特に注意が必要です。
接種時期
B型肝炎ワクチンは、基本的に生後2か月~1歳までの間に3回すべて接種することができます。
定期予防接種のため対象期間内(生後0~1歳未満)であれば、自己負担なしで予防接種が受けられます。
標準的な接種スケジュール
- 1回目
- 生後2か月
- 2回目
- 生後3か月
(1回目から4週間以上経過後)
- 3回目
- 生後7か月~9か月
(1回目から20週以上経過後)
ロタウイルスワクチン
ロタウイルスワクチンとは
下痢や嘔吐を起こすロタウイルス感染症を予防するワクチンです。ロタウイルスは急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種ですが、下痢や嘔吐の症状が強く、水分が取れず脱水症状を引き起こして命に関わることもあります。特に乳幼児期には、体内の水分量が少なく脱水症状を起こしやすいため注意が必要です。
ロタリックスは1価ワクチンで、最も一般的な1つの型のロタウイルスに対する免疫をつくり、他のウイルスの型に対しても一定の効果は得られます。一方、ロタテックは5価、つまり5種類の型のロタウイルスに対応しており、ロタリックスに比べて4種類多くの型に効果が期待されます。
予防できる病気
ロタウイルス
冬~春にかけて乳幼児で流行しやすいウイルス性感染症で、嘔吐や下痢を繰り返す症状を起こします。下痢は白っぽい色になることも特徴です。嘔吐や下痢がひどく、体の水分が失われるため、脱水症状に注意が必要です。脱水症状を起こすと、点滴が必要になる、命に関わる、反復性のけいれん、脳炎、重い腎障害などの合併症を起こすこともあります。
感染力が非常に強く、保育園や幼稚園などでも早いスピードで感染が広がり集団感染しやすいことも特徴です。感染しても発症、重症化しないようにワクチン接種が推奨されています。
接種時期
ロタウイルスワクチンはロタリックス(2回接種)、ロタテック(3回接種)の2種類のワクチンがあります。
いずれも生後2か月からの接種で1月おきを目安に接種します。注射で接種するワクチンとは違い、経口接種と言って口に入れて飲むタイプのワクチンです。赤ちゃんが吐き出さないように接種前の授乳やミルクは控えておくことも大切です。
標準的な接種スケジュール
2回接種ワクチン(ロタリックス)
- 1回目
- 生後2か月
- 2回目
- 生後3か月~4か月
(1回目から4週間以上経過後)
3回接種ワクチン(ロタテック)
- 1回目
- 生後2か月
- 2回目
- 生後3か月
(1回目から4週間以上経過後)
- 3回目
- 生後4か月
(2回目から4週間以上経過後)
※ロタテックの場合接種回数が多いため、初回接種を生後14週6日までに行うことをおすすめします。
※途中でワクチンの種類を変更することは出来ません。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンとは
脳を保護する髄膜に炎症が起こる細菌性髄膜炎を予防するワクチンです。肺炎球菌は他にも菌血症や敗血症を引き起こすこともあり、年齢が低く免疫がないうちに感染すると重症化しやすいため、ワクチン接種が推奨されています。
予防できる病気
細菌性髄膜炎
脳を保護する髄膜に細菌が繁殖して炎症を起こす病気で、初期症状がほとんどなく、血液検査でも判別することが難しい病気です。
菌血症
血液中に細菌が増殖して重症化すると様々な臓器に影響を及ぼす病気で、高熱が出ることも特徴です。
敗血症
血液に細菌が繁殖し、身体の細胞や臓器が正常に機能しなくなる病気です。
接種時期
肺炎球菌ワクチンは全部で4回の接種が推奨されています。
基本的に五種混合ワクチンとセットで接種すると考えておけば覚えやすいワクチンです。
標準的な接種スケジュール
- 1回目
- 生後2か月
- 2回目
- 生後3か月
- 3回目
- 生後4か月
- 4回目
- 生後1歳
(3回目接種後7~13か月後)
5種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチン
5種混合ワクチンとは
ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ、ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)の5種類の感染症を予防するワクチンです。複数の抗体が混ざったワクチンのため、5種類でも1本で接種することができ、お子さんの体への負担を少なく接種することができます。
予防できる病気
ジフテリア
発熱や嘔吐、のどの炎症を起こして、犬の鳴き声のような咳が出ます。重症化すると、眼球や横隔膜の麻痺、心不全などを起こして命に関わることがあります。
百日咳
長く続く咳が特徴的な病気で、ひどくなると顔が真っ赤になることもあり、けいれんや肺炎、脳症などの合併症を起こすこともあります。
破傷風
傷口から細菌が体内に侵入して感染する病気です。土の中に潜む菌が原因となるため、砂場遊びをする年齢では特に気を付けたい病気です。重症化すると神経の麻痺や筋肉のけいれん、呼吸困難などを起こすこともあります。
ポリオ
感染初期の症状はかぜに似ていますが、重症化して腕、足に麻痺を起こす病気です。小児麻痺とも呼ばれています。腕や足の麻痺は後遺症として残ることや、ポリオに感染した数十年後に突然疲労や痛み、筋力低下などの症状を起こすポストポリオ症候群になることもあります。また呼吸に必要な筋肉の横隔膜に麻痺が起こると呼吸ができなくなり、人工呼吸器が必要になります。
細菌性髄膜炎
脳を保護する髄膜に細菌が繁殖して炎症を起こす病気で、初期症状がほとんどなく、血液検査でも判別することが難しい病気です。
接種時期
5種混合ワクチンは全部で4回の接種が推奨されており、定期接種のため自己負担なしで接種することができます。
標準的な接種スケジュール
- 1回目
- 生後2か月
- 2回目
- 生後3か月
(1回目から3週間以上あける)
- 3回目
- 生後4か月
(2回目から3週間以上あける)
- 4回目
- 生後1歳
(3回目から6か月以上あける)
BCG
BCGワクチンとは
結核の予防に効果が期待されるワクチンです。他の注射と異なり9本の針で皮膚の表面に近いところの皮内に注射します。
皮内には樹状細胞という免疫細胞があり、免疫がつきやすいとされています。
予防できる病気
結核
結核菌の感染が原因となって発症する病気で、咳や発熱が長く続くほか感染力が強いことが特徴です。国内でも毎年3万人以上の患者さんがいると言われており、重症化すると、結核性髄膜炎や肺結核を起こし命に関わることもある病気です。
接種時期
BCGワクチンは1回接種です。
標準的な接種スケジュール
- 生後5か月~8か月
※定期接種の対象期間は0~1歳に指定されていますが、生後2~3か月と早い時期に接種すると副反応が強く出る可能性があるため、生後5~8か月ごろを目安に接種することが推奨されています。
MR(麻疹・風疹混合)ワクチン
MR(麻疹・風疹混合)ワクチンとは
麻疹(別名…はしか)や風疹(別名…三日はしか)の発症や重症化を防ぐ働きが期待できるワクチンです。
麻疹や風疹は感染力が強く、飛沫感染や接触感染で子どもだけでなく大人にも感染することもあるため、感染を広げないことが大切です。
予防できる病気
麻疹(はしか)
発熱や鼻水、咳などの症状が見られるほか、目やにや発疹が見られることが最大の特徴です。子どもだけでなく大人も発症することがあり、重症化すると、脳炎や気管支炎、肺炎などを起こして命に関わることがあります。
風疹(三日はしか)
発熱や発疹のほか、首のリンパ節の腫れなどの症状が見られます。重症化すると血が止まりにくくなる血小板減少性紫斑や脳症を起こすこともあります。妊娠中に感染すると胎児に影響があり、心臓病や白内障、難聴など先天性の病気を引き起こすこともあります。
接種時期
MRワクチンは全部で2回の接種が推奨されています。
標準的な接種スケジュール
- 1回目(1期)
- 生後1歳~2歳になるまで
- 2回目(2期)
- 小学校入学前の1年間
(生後5歳~7歳未満)
MRワクチンは定期接種のワクチンで、推奨される接種スケジュールに則って、1回目は1歳のお誕生日が来たら、
2回目は年長さんになったら接種することがお勧めです。接種間隔が長期間開くため、忘れないように注意しましょう。
水痘(水ぼうそう)ワクチン
水痘(水ぼうそう)ワクチンとは
水痘ワクチンは全身に発疹ができる水ぼうそうを予防するワクチンです。
水痘ウイルスは感染力が非常に強く、接触感染や飛沫感染、空気感染することもあります。
予防できる病気
水痘(水ぼうそう)
発熱と激しいかゆみを伴った赤い発疹が全身に出ることが特徴的な病気です。重症化すると、肺炎や脳炎、皮膚の細菌感染症などの合併症を起こすことがあり、感染力が非常に強いため兄弟間や親子間での感染など特に注意しましょう。一度感染すると、水痘ウイルスは生涯体内に残ります。大人の方でも、体内に残った水痘ウイルスが原因となる帯状疱疹が出ている時に、水痘にかかったことのないお子さんと接触すると、お子さんが水ぼうそうを発症することがあるので衣類やタオル、食器を共有しない、同じ空間で過ごさないなど徹底的な感染対策をしましょう。
接種時期
水痘(水ぼうそう)ワクチンは全部で2回の接種です。
標準的な接種スケジュール
- 1回目
- 1歳になった時
- 2回目
- 1歳6か月~3歳未満
(1回目から6~12か月後)
年齢が低い子どもの間で流行することが多いため、保育園や幼稚園などの集団生活に入る前の早い段階での接種がおすすめです。
日本脳炎
日本脳炎ワクチンとは
脳炎を起こす日本脳炎ウイルス感染症を予防するワクチンで、発症率を75~95%減らすと言われています。
日本脳炎は発症すると、重症化する可能性が高いことも特徴です。
予防できる病気
日本脳炎
日本脳炎は、ほとんどの場合は初期症状が見られませんが、感染の7~10日後に脳炎を発症します。脳炎を起こすとけいれんや意識障害の症状が見られますが、2~4割程の人が命を落とすほか、多い割合で脳に障害を引き起こします。人から人へ感染することはありませんが、日本脳炎ウイルスに感染した豚の血液を吸った蚊を媒介して感染します。
接種時期
日本脳炎ワクチンは全部で4回の接種です。
定期予防接種のため定期接種の対象期間であれば、自己負担なしで予防接種が受けられます。
標準的な接種スケジュール
- 1回目(第1期1回目)
- 3歳
- 2回目(第1期2回目)
- 1回目の後1~4週間後
- 3回目(第1期追加接種)
- 2回目から約1年後
- 4回目(第2期)
- 9歳~満13歳
第1期の定期接種は生後6か月から可能ですが、標準的なスケジュールとして3歳からの接種が推奨されています。
近隣に養豚場があるなど、地域によって接種推奨時期も変わりますので、お気軽にご相談ください。
また期間が空くため、接種のタイミングを忘れがちですが、ワクチンの接種が遅れてしまい、前の接種から間隔があいてしまった場合でも、接種することで予防効果を高めることができます。ただし、定期接種の対象期間内には接種するように確認しましょう。
おたふくかぜワクチン
おたふくかぜワクチンとは
おたふくかぜが原因となる脳を保護する髄膜に炎症が起こる細菌性髄膜炎を予防するワクチンです。おたふくかぜは子どもの細菌性髄膜炎や菌血症、敗血症など脳や血液の感染症を引き起こす原因菌です。
予防できる病気
おたふくかぜ
脳を保護する髄膜に細菌が繁殖して炎症を起こします。目立った初期症状はなく、血液検査を行っても判別することが難しい病気です。重症化して命に関わることや重い後遺症が残ることの多い病気でもあるため、ワクチンを接種して発症や重症化を予防することが大切です。
菌血症
高い熱以外症状がほとんどありませんが、血液中に細菌が増殖して重症化すると様々な臓器に影響を及ぼします。
敗血症
血液の中に細菌が繁殖して身体の組織や臓器が正常に機能しなくなります。
接種時期
おたふくかぜワクチンは全部で4回の接種が推奨されています。MRワクチンは定期予防接種です。
標準的な接種スケジュール
- 1回目
- 生後2か月
- 2回目
- 生後3か月
- 3回目
- 生後4か月
- 4回目
- 生後1歳
(3回目接種後7~13か月後)
年齢が低いうちは免疫がほとんどないため、早めの接種が推奨されています。
生後2か月のワクチンデビューのタイミングから接種をおすすめしています。
子宮頸がんワクチン
子宮頸がんワクチンとは
20代~30代の女性の間で増加している女性特有のがんである子宮頸がんを予防するためのワクチンです。
子宮頸がんとは
原因
ほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発生する悪性腫瘍で、性交渉の経験がある方であれば誰でも感染する恐れがあります。HPV が子宮頚部に感染した場合、約10%の方は感染が長期間持続します。感染が自然に治癒しなかった一部の方が、数年後に子宮頸がんへ移行すると考えられています。
症状
- がんが粘膜内にとどまっているうちは、ほとんど無症状です。
- おりものや出血、痛みなどの症状が出ることがあります。
- がんがさらに広がると、ピンクや暗赤色のおりものや出血が多くなります。
予防
子宮頸がんワクチンは世界110か国以上で接種されています。9種類のHPVへの感染を防ぐ9価ワクチンを接種すると、8割~9割の子宮頸がんを予防できると言われています。世界保健機構(WHO)もワクチンの有効性と安全性を確認し、性交渉を経験する前(10代前半)にワクチン接種するよう推奨しています。
接種時期
子宮頸がんワクチンは、2013年4月から法律に基づき定期接種化されたワクチンです。
9歳から接種が可能で、無料で定期接種ができるのは小学校6年生から16歳になるまでの女性です。
DT(ジフテリア・破傷風)の定期接種の対象時期(11歳~12歳)と重なるため、できれば子宮頸がんワクチンとDT(ジフテリア・破傷風)との同時接種がおすすめです。
当院で接種できる子宮頸がんワクチンはシルガード9(9価)です。
接種間隔の決まりがありますので、接種の計画についてはお気軽にご相談ください。
1回目の接種を15歳になる前に受ける場合:2回接種
- 1回目
- 15歳になる前に接種
- 2回目
- 1回目の接種から6か月以上
※1回目と2回目の接種間隔は少なくとも5か月以上必要です。
5か月未満の場合、3回目の接種が必要になります。
1回目の接種を15歳になってから接種する場合:3回接種
- 1回目
- 15歳になってから接種
- 2回目
- 1回目の接種から2か月以上
- 3回目
- 2回目の接種から6か月以上
皮膚の病気
- 乳児湿疹
- 乳児脂漏性湿疹皮膚
- あせも
- 蕁麻疹(じんましん)
- アトピー性皮膚炎
- 虫さされ
- 皮膚カンジダ症
- おむつかぶれ
- ヘルペス
- とびひ
- 水いぼ
- 感染性皮膚炎
など
CLINIC INFO
診療時間 ※10月16日まで
木曜日、土曜日午後、日曜日、祝日
予防接種、乳幼児健診
予約は電話や窓口以外に一部WEB予約も承ります。
木曜日、土曜日午後、日曜日、祝日
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- JR「大宮」駅下車
東武バス61番「大宮西警察署前」下車1分
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